ストレスチェックは「意味ない」のか?経営者も従業員も満足する解決策はあるのか?
ストレスチェックを「意味あるもの」にするために必要なこと
「ストレスチェックなんて、やっても意味がない」
もし、職場の経営層や従業員の口からこのような言葉が漏れているとしたら、それはある意味で「正しい」と言わざるを得ません。
2015年に義務化されて以来、従業員数50名以上の事業場で実施が定着したストレスチェック制度。しかし、多くの現場では「法令を遵守するためだけの事務作業」に成り下がっているのが実情です。それにもかかわらず、2025年には50名未満の事業場での義務化も決定いたしました。
なぜ、ストレスチェックは「意味ない」という結論に達してしまうのか。そして、本来あるべきストレスチェックの姿にするには何が必要なのか。経営層も人事部門も従業員も満足するストレスチェックの解決策について考察します。
なぜストレスチェックは「意味ない」と感じるのは正しいのか?
多くの法人でストレスチェックを「無意味」と感じているのは、制度設計そのものの不備に気づいている人が多くなっているからです。
制度上、高ストレス者には医師面談が勧奨されますが、受検者のうち医師面談をする比率は0.6%という驚くべき低い数字です。これはなぜでしょうか?
「診断」が目的になり、「対策や解決策」が不在
最も多い意見が、実施すること自体が目的化しているのではないかということです。
診断結果を回収し、労働基準監督署に報告書を提出して終わり。これでは、定期健康診断で「再検査」と判定された人を放置しているのと同じです。
従業員側は「これ、正直に答えて大丈夫?」「この時間に仕事を進めたほうがマシでは?」と冷ややかな視線を送るようになります。
「高ストレスと出たところで、仕事量が減るわけでも上司が変わるわけでもない。時間の無駄だ。」
「判定が出たけど、結局何も変わらないよね?」
といった虚無感も、解決策の欠如を如実に物語っています。
温度計で熱を測るだけで、「熱がありますね」と言われて放置されたら、誰だって「測る意味ないじゃん」と文句をいいたくなりますよね。
「医師面談」への不信感
次に、驚くべきことに、対応する医師の多くは精神科や心療内科の「心の専門家」ではなく、一般診療(内科等)を主とする医師が行っているケースがほとんどです。
そもそも、全医師数の中で精神科医が占める割合は約5.6%に過ぎませんし、日本における活動をしている認定産業医約3万人強の中でも精神科を専門とする医師の割合は極めて低いのが実態です。
高ストレス者だから医師面談をしたのに、ヒアリングだけされて終わったとガッカリする方が多いのも頷けます。
医師面談の本来の役割
ただ、医師には、「労働者の就業に制限をかけるべきか」という医学的な意見書を法人に出せるという唯一無二の権限があります。残業の禁止、配置換、あるいは休職の勧告など、法的責任を伴う判断は医師にしかできません。つまり、医学的知見に基づき、就業上の配慮を判断し、法的責任を担保しながら重症化を防ぐ「医学的ゲートキーパー」なのです。
最大の問題は「心理的安全性」
最後に、最大の問題は、この制度は従業員の「心理的安全性」が低いと感じられているということです。
多くの従業員は「相談した内容が経営層に筒抜けになるのではないか」「キャリアに傷がつくのではないか」「結局みんな無難に答えてるでしょ?」という秘匿性への不信感や、正直に回答することのリスク不安を抱えています。
このような不安を抱えているのに、自分の全情報をさらけ出すでしょうか?
本当の悩みは話しにくい
考えてみてください。誰でも自分の本当の悩みは他人に話すことが難しい問題ではないでしょうか。例えば、自分の幼少期の辛い体験、配偶者に対する憎悪、自分の性格の醜い部分など、職場の関係者に簡単に相談できるものではないはずですし、それでは深刻なメンタルヘルスの悩みに対応しきれるはずもありません。
ストレスチェックに不足している解決策
ストレスチェックを無意味だと感じている人が多いのも理解できますが、ストレスチェックを行うこと自体はとても意味のあることですし、「医学的ゲートキーパー」として医師が面談をし、就業上の判断を下すとする制度も理にかなったものです。ただ、ストレスチェックを実施するだけで、その後、従業員が安心して援助を受けられるシステムがないことが問題なのです。
では何が必要なのか?
まず、なにより大切なのは「心の専門家」にいつでも相談できる窓口です。そして、その「心の専門家」に相談することが、誰にも分からないようにするということが最も重要です。
守秘義務で守られるべき3つの情報
- 相談しているという事実
- 相談している時間や回数
- 相談している内容
これらの全てが「守秘義務」で覆われていることにより「心理的安全性」が保たれたサポートが可能になります。
心の専門家にいつでも相談できる窓口があり、そこでの相談は、利用していることを含めて一切外部に漏れないということが大切なのです。
そのために経営者は何をすべきか
これは特に経営者に誤解されやすいことですが、「従業員の心の中も管理して組織運営に生かそう」という考えはなかなかうまくいきません。
むしろ、「従業員が心の平穏を保つことができるように環境整備をしておいてあげよう」という考えが正解なのです。
「そっと見守ってくれる経営者」の方が従業員から感謝され、むしろパフォーマンスが上がるのです。
そのような観点から、経営者はストレスチェックを行うだけではなく、従業員が常に利用できる心の専門家による相談窓口を設置すべきなのです。
そのために従業員は何をすべきでしょうか
では、従業員は全て職場が用意してくれた環境に甘えることができるでしょうか?
まず、常に利用できる心の専門家による相談窓口の設置は、法人に大きな負担を強います。特に、相談しやすい環境であると、際限なく相談する人もいると思われますので、出費がどこまで膨らむのか予想がつきません。それを理由に法人が相談窓口の設置に後ろ向きになってしまっては本末転倒になります。
また、法人は費用対効果を考えることが大切ですので、「誰が相談したのか」「どのくらいの時間・回数相談したのか」「相談内容はなんなのか」というようなことを知りたくなります。これでは心理的安全性が保たれた相談窓口にはなりません。
つまり、従業員は自分の相談にあえて自己負担という形をとり、個人のプライバシーを守るための投資として捉える必要があります。その代わり心理的安全性が保たれた、しっかり守秘義務が守られた場所を確保できるのです。
「シンプル健康経営50」が提示する、新しいストレスチェックの形
本当の意味で従業員の心を救うには、「会社などの法人が内容を一切把握できない(完全に遮断された)相談チャネル」が不可欠です。
「カウンセリングを受けたかどうか?何回受けたか?何を話したか?」これらを会社が1ミリも感知できない状態にして、初めて従業員は「一人の人間」として自分の心に向き合うことができます。
「シンプル健康経営50」は、この矛盾を解消するために、ストレスチェックとカウンセリングをセットにしたサブスクサービスとして設計されました。
「シンプル健康経営50」のサービス内容
- ストレスチェック義務化対応(法的要件完全クリア)
- カウンセリングを福利厚生として導入(従業員のパフォーマンス向上)
- カウンセリング料金は従業員も負担(公平性と守秘義務のため)
- ストレスチェックとカウンセリングがセットのサブスク(毎月一定額で管理しやすい)
「シンプル健康経営50」のカウンセリングの構造
会社は「従業員を守るための費用」として毎月一定額を負担しますが、その中身(誰が相談したか)には一切踏み込みません。福利厚生として、従業員のカウンセリング料金を割引するサブスクリプション型でコストを固定化します。
従業員は「自分のための時間」として、カウンセリング料金を支払い(割引料金)自律的にカウンセリングを利用します。福利厚生カウンセリングの料金は、従業員の負担を最低限に抑える画期的な仕組みです。
「あえて管理しない」という信頼の形
会社が費用を出し、場所(仕組み)を提供するが、その中身には干渉しない。
この「あえて管理しないという信頼の形」こそが、従業員との信頼関係を再構築し、
離職を防ぎ、本当の意味での健康経営を実現します。
福利厚生カウンセリングで、ストレスチェックを「トータルメンタルヘルス」へ
組織に必要なのは、単なるチェックツールではありません。「しんどい」と感じた瞬間に、プロフェッショナルな第三者にアクセスでき、それが組織の改善へとフィードバックされる「生きた循環」です。
今、求められているのは「守りのメンタルヘルス」から「攻めの健康経営」への転換です。
これから、メンパ(メンタルパフォーマンスの略)の時代に入っていきます。
視点の差が企業競争力を決める
従来の考え方
「法律で決まっているからやるコスト」
新しい考え方
「組織のコンディションを可視化し、生産性を最大化するための投資」
この視点の差が、数年後の企業競争力を決定づけます。
従業員が心身ともに健康で、自身の能力を最大限に発揮できる環境。それは、優秀な人材を引き寄せ、定着させる最強の福利厚生であり、ブランディングでもあります。
「意味ない」という言葉で思考停止するのではなく、どうすれば「意味を持たせられるか」を問い直す時期に来ているのです。
「ストレスチェック、意味ないよね」という会話を、貴社のオフィスから無くしましょう。
それは、従業員一人ひとりが大切にされていると実感し、前向きに仕事に取り組める組織への第一歩です。
まずは、私たちの考える「新しい健康経営」のカタチをご覧ください。